ジュエリーメーキング・デザイン  ジュエリーメーキング教室  観察する事   観察で得たものは



ジュエリー 工房 Ryo    綾


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 工房や会社の名前には、それぞれの思い入れがありますね。Ryo 綾(りょう)の名前の由来についてお話します。

綾(りょう)の糸偏は「係」のように人と人を結ぶ意味があります。綾は「あやなす」の意味です。語源は筋目を立てるの意味で、足の筋肉の筋を立て山を一生懸命登る事の意味です。

東京の上野池之端にある「道明」で組みひもの復元の研究を勉強していた折に、南米アンデスに残る唐組と言う組み方が、正倉院にあるものと似ている構造である事に興味を持ちました。

その手法が同じ構造である事を解明し、タペストリー製作に取り組みました。

組みひもとジュエリーを組み合わせたアクセサリー製作がきっかけで、ジェリーの世界へいざなわれました。




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「ジュエリーメーキング・デザイン」

職人の先生のもとで、プラチナ・K18・シルバーの加工を習い、その後ジェリーアカデミーでワックスでパターンを作り、鋳造する方法・宝石の研磨・鑑定・デザインの指導を受けました。

実際に宝石のカットをしたり、研磨をすることによって、石の硬度や粘りを目と手の感触で経験する事が出来ます。これは作りをする上で大変参考になっております。内科のお医者さんでも解剖をします。たしか、ミケランジェロも人物を描く為に解剖をしました。それと同じですね。

友人などに「デザインはどのようにして決めるの?」と聞かれます。私が一言では答えられないなと言う顔をすると、「宝石店にいったりして勉強するの?」早い話、「デザインを盗んでくるの?」もう少し良い言葉で言えば「参考にするの?」といわれます。答えは「ノー」です。

デザインのヒントにしたりするのは、博物館・美術館での観察の経験がどこかに残っていてデザインを決める時に現れます。 音のイメージも形にすることがあります。その他、自然の木々のそよぎ、情景など自然のフィーリングとイメージをデザインに取りいれています。



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「ジュエリーメーキング教室」

 生徒が作りたいものが出来るようにお手伝いします。そこにたどり着くまで、手順を示したり、テクニックを指導したりしながら障害物を取り除きます。その方のイメージにあった作品になるように指導しております。

「失敗の経験がとても大切です」

たとえば、はじめて歩くようになった子供は転びます。そして子供は自らの失敗から学びとり歩けるようになります。

みなさんはブランコに乗っていて、落ちた経験はありませんか。転んで驚いて何がなんだか分からないうちに、ゴーンといきなりおでこをブランコが直撃します。これも次からはまず逃げたり、低く態勢を取り危険を回避する事を、自らの経験を通して学びます。

ジュエリーメーキングも、失敗から学ぶ事が多く、これを生徒のうちに経験する事はとても大切です。私も生徒時代の数多くの失敗が、もう一人の先生でした。生徒のやる失敗のほとんどは、経験済みです。

失敗しないように自分の範囲のものを作るのではなく、新しい事に挑戦する事が大切です。

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「観察する事」

皆さんは何かを学ぶ時どんな方法で学びますか。本を読む・学校で先生に教わる・人に聞く、これらは一つの良い方法です。

私たちは、さらに大切な「観察」を忘れる事があります。観察するには肩の力を抜き、気持ちを楽にして、先入観を取り去り無垢な気持ちで取り組む事が大切です。私もつい「見ているのに」 「見えない」・「聞いているのに」 「聞こえていない」と言う落とし穴にはまる事があります。

例えば、最近私たちの身近なコミュニケーション手段となった、e-mailがあります。ある友人はとても読みやすいメールをくれます。それは、まず件名がはっきり分かるようについている、左寄せの文章で、最初に誰に宛てたかがわかるように宛先があり、文章はトップダウンスタイルで、用件や大切な事をはじめに持ってきます。普通の文章より段落が多く、句読点も多くなっています。

システムエンジニアーの友人はコンピューターに関してはプロですが、宛て先がなく、ページの頭からいきなり書き出し、大事な事や依頼することなどを最後に書いてくるので、読む側は見落としそうになります。これは自分がプロだと言う意識が強く、自分をオープンにしない為、観察がおろそかになるためです。


「観察で得たものは」


 観察の第一歩目は無垢で柔軟な気持ちを持つ事です。
生まれたての赤ちゃんが、最初に目にするのはなんでしょう。ふたつの点です。これはお母さんの目とお母さんのおっぱいです。赤ん坊は、このふたつの点が、自分にとって、安心で大切なものだと言う事を、観察によって身に着けます。このように何かを学ぶ時赤ん坊のようにたくさんの真っ白いスポンジを、自分の中に用意する事が大切です。



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観察の第2歩目は、気がついて、興味を持ち、疑問を持つ事です。観察で得たものは経験としてしっかり身につきます。

ある日、ベランダに面したガラス戸に、ホースの水をかけて洗っていた時の事です。その時部屋で遊んでいた子供が、ガラスに水のしずくや水の流れがプリズムになり床に映り、きらきら輝いている模様に、そっと触ってみました。期待して手を見たのですが、何にもついてこないので、何回か同じ動作を繰り返した後に不思議そうな顔で私に聞いてきました。

いわゆる作りの世界で「技術は盗め」と言う言葉があります。盗んだ技術すなわち観察によって得た情報や経験は身につく事をジュエリーメーキングを通して学びました。デザインも自然や身近なものを観察することで、面白い発見があります。

観察はその気さえあれば、どこでも、何にでも、いつでも、誰にでも出来ます。これからも楽しんで新しい作品作りに挑戦します。