楽器は音楽で表現するうえで大切な相棒であると同時に高価な芸術品です。
ホルンはとてもデリケートな楽器ですから、日々のメンテナンスが欠かせません。
−ロータリー分解掃除編−
日常の手入れを紹介しましたが、ここでは分解洗浄の様子を紹介します。
ただし、決して見よう見真似でやらないでください。
一見簡単そうに見えますが、ハンマーや軸に刺してロータリーを抜き取るための器具など、専門工具を使います。
特にロータリーの取り扱いには注意が必要で、思わぬところに仕掛けられているバネに気付かずにロータリーを弾き飛ばしてしまうかもしれません。
そうしたらその楽器は使い物にならなくなってしまいます。
参考ページ:楽器のメンテナンス(しみつ99さんの「猫屋敷」)
ホルンは金属(真鍮=銅と亜鉛の合金)でできています。真鍮とは銅と亜鉛の合金で、別の名を黄銅ともいいます。 亜鉛の含有率が35%のものが一般的です。
この他には、銅60%、亜鉛40%のものを 六・四真鍮といい、銅70%、亜鉛30%のものを七・三真鍮と呼んでいます。真鍮はさまざまな金属の中でも特に加工性がよくて美しいため、用途が広く、金物にも多く使用されています。
ただし、真鍮は加工性が良い反面、非常に錆び易いのが特徴です。 銅成分が入っているので緑青という緑色の錆が発生し、ロータリー固着などの自体を招きます。
このため湿気は大敵であり、常にオイルによる保護を与えていなければなりません。こまめにロータリーにオイルを差すのはこのためです。
そうはいっても、息を吹き込んで鳴らしてこそ楽器ですから、どうしても呼吸の中に含まれる水蒸気が冷たい管体を通過するうちに結露し、楽器内に水が貯まります。
このためにつば抜きなどの動作をするわけですが、それでも水分は楽器内に残ります。そうすると、どうしても錆びてしまうのです。
マウスパイプからお湯を流すという方法を取る人がいます。
お湯を使って管内をすすぐのは問題ないのですが、ロータリーを外さないでその作業をすると、内部に大量の水を残してしまうことになります。
そうなったら、管内に残った水分を取り除くのは至難の業です。まず、ロータリーを外します。
ストリング(糸)を外してしまうとあとで装着するのが大変なので、中心の軸のマイナスネジを外します。
外れるときにレバーの力で反対側に飛び出しますから、指で押さえて飛ばないようにしないといけません。
レバー部分を分解します。
レバー部分は全て分解するのではなく、右写真のとおり、ある程度モジュールごと取り外します。
何でもかんでもネジを外せばいいというわけではありません。
このとき、部品は混ざったり転がったりしないように、場所や種類ごとに樹脂ケースに入れて分類しておきましょう。
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ローター(回転体)を抜きます。
軸をハンマーで慎重に叩いて抜くのですが、楽器を直接ハンマーで叩いてはいけません。
詳しくは書きませんが、ハンマーと楽器本体の間に緩衝材を挟むのです。そうすれば、直接楽器にダメージを与えにくくなります。
ぶつかってもヘコまないように、樹脂のトレーを使っています。部品が散らばらないようにしましょう。
ひととおり分解が終了しました。これから洗浄作業の開始です。
この状態なら、水につけても何しても大丈夫。
大きな樹脂製のトレイなどを使って、中性洗剤を混ぜたぬるま湯に浸します。
ただし、熱すぎるとラッカーが剥げ落ちる可能性がありますので注意。
ロータリーの錆を落としています。
ある液体にロータリーを漬け、超音波で分解を促進します。
この写真のときは1時間くらいほっときました。
右は真鍮本来の色が出てきれいになったロータリーです。
左側の黒っぽいのはロータリーキャップですが、サビは取れましたがなぜか変色しちゃいました…。
ロータリー本体とは別に処理したほうがいいでしょう。
ロータリーのサビが取れたら、酸を徹底的に洗い落とします。
中性洗剤の池に沈め、ウエスでゴシゴシと擦ります。ウエスに色が付かなくなるまで、徹底的に。
そして、ロータリーを乾燥させたら、いざ組み立てです。ロータリーにまんべんなくオイルをまぶし、慎重にロータリーに嵌め込みます。
次にロータリーのフタを載せ、ハンマーで叩いて押し込みます。このとき、直接にキャップを叩いてはいけません。キャップには楽器と同じ素材(真鍮)の重しを載せ、それを叩いて押し込んでいくのです。
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